カエルの楽園読んでみました。
最初にですが、読んだ感想
ひとことで言うと、
『永遠の〇』
『海賊と呼ばれた男たち』
に並ぶ傑作というだけあって面白い。
考えさせられる作品でした。
※少しだけネタバレします。。。
結論は言いません。
登場人物とその関係性
少し詳細に入ります。
・アマガエルのソクラテスとロベルト
自らの仲間が平和に安住できる国「楽園」を求めて旅に出る。
旅の途中で他国のカエルの状況を見て、自分の国の状況とを対比させながら、理想の楽園とはどういう国なのかを考える。
日本に駐屯する米軍を交えながら、日本と中国の関係を、日本の置かれた状況を第3者敵視点から捉えているような描写にも見て取れる。
・ナパージュ(日本)に住むツチガエル
体が小さい。
「3戒」という国の根幹をなすルールを持っており、それを国の平和の根源だと考えている。
3戒:1.カエルを信じろ
2.カエルと争うな
3.争うための力を持つな
トップに、7名の元老を持つ。
謝りソングという、「自分自身に罪深さを感じていれば、争いは起こらない」という精神を植え付けるための歌がある。
(ナパージュに住むカエルの特徴)
・仲間の同調圧力ですぐに意見や態度を変えてしまう。しかし、全員が全員そうではない。中には違う意見を持つものもいる。だが、尊敬を集め権力を持つものにそれが否定されてしまうと、たちまち大衆からも否定され嫌われてしまう。
・中々、会議で結論が出ない。そして結局結論は先延ばし。
・平和を愛する国民性。話し合いで争いを解決できると考える。一方、相手を殺すぐらいなら、自分が殺されたほうがましと考える程の愚かさを持つ。
・昔の事は知らずしても、今が平和であれば大丈夫と望んでいる民もいる。
・ウシガエル(中国)
ツチガエルよりも体が大きく野心的なカエルである。
ツチガエルの大半は、本来は友好的なカエルであると考え込んでいる。
・スチームボート(駐日米軍)
東の崖の上に住んでいるワシで、かつては体力があり周辺に住む的に抑止力を発揮し、ナパージュの平和を確保していた。しかし、近頃は年をとって力を誇示できなくなり、ナパージュを守る必要性もなくなってきていると感じている。
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この作品でのあらすじ
ソクラテスとロベルトが平和を求めて、仲間を失いながらも長旅の末、ナパージュというツチガエルが住む楽園にたどり着く。
そこでは、ツチガエルたちが平和に暮らしていた。ソクラテスとロベルトはこの国はなぜ平和なのかということを突き止めるため、このナパージュという地に留まり、平和の秘訣を調査することにした。
平和の秘訣 ツチガエルの中でも様々な意見があるが、それを短く列挙してみたい。 ・3戒: 1.カエルを信じろ 2.カエルと争うな 3.争うための力を持つな ・謝りソング ・スチームボート
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しかしある日、南の崖にウシガエルの群れがたむろし始めた。ここでいうナパージュの南の崖とは尖閣諸島のようなものとしても考えられる。そして、日に日に数は増え、ついにウシガエルが南の崖のふちまで登ってきた。また、ある日は二匹と日に日に自国の領土に侵入してくるウシガエルの数は増えていってしまう。
一部の年老いた元老たちは、ナパージュが3戒によって守られているため、ウシガエルに構う必要がないと主張する。しかし、別の元老は今からウシガエルを追い払う手を打っておかなけれなばならないと主張する。(それは、自分たちでウシガエルを追い払う自衛力を持つのか、もしくは他のモノの力を借りなければいけないのかもしれない。)
しかし、それは3戒を破ったことになるのではないか、と一部の元老とツチガエルの権力者に判断され、処刑されてしまう。
この日を境に、ツチガエルはどんどんナパージュの中に侵入してくることになる。そして、この国平和を守るためには3戒(日本の憲法と似たような部分あり!?)が必要なのか、スチームボート(第三者の抑止力)が必要なのか、自国内での自衛の力が必要なのかという議論に発展する。
しかし、其の過程で様々な事件が起こっていく。。。。
この作品を読んで
この作品の中では、カエルたちに現実世界を投影して考えると
平和とは何かを考えさせられます。。
賛否両論ある作品ではあると思いますが、
後は読んでみて、自分自身で考えてみてください。
リンク
ほなまたね。